情報支援レスキュー隊 / IT DART (Disaster Assistance and Response Team)

避難所としての学校

投稿者:FujiiShingo - 2016/12/16

IT DART運営委員の藤井です。今回は避難所としての学校からの、情報発信インフラのあり方について書いてみたいと思います。

高齢者の避難先

町会の高齢者は、公的避難所まで遠いと感じるケースが多く、最寄りの学校を避難所と決めていると聞いたことがあります。
この場合、避難所からの情報発信を積極的に行わないと、公的支援や被災地外からの共助を受け始めるタイミングが遅れ、避難所運営に困難をきたす可能性が高まります。

 

学校の減災対策

学校の建造物自体は、減災対策が積極的に行われているが、被災時に、地域住民による情報発信ができる環境に考慮された情報システムの整備は進んでいない学校が多いと思います。

被災時において、インターネットは情報収集に欠かせないツールであり、防災拠点となる学校に無線LANの整備は、災害時での情報発信、情報収集をスムーズに行うことに加え、学校でのICT教育の活用も期待できます。しかし、平成27年3月時点、学校の普通教室にて無線LANを整備している割合は23.5%と普及率は高くありません。

災害時の情報発信としては、まず、避難所利用開始の情報発信が有効だと思うのですが、正しい情報を発信するには、認証された端末があることが望ましいでしょう。

認証先としては、被災の影響を受けにくいクラウド環境に置き、認証端末(スマホやケータイなど)を町会に所属する消防団員や民生委員など
複数人にお持ちいただければ、避難所利用開始の正確な情報をいち早く発信できると思います。

 

学校ネットワークの強靭性

避難所としての学校からの情報を、発信するためのネットワークの強靱性についても、日常から自治体等と連携していくことが望ましいでしょう。各自治体では、ネットワークの強靭化に向けた検討が進められており、 先行自治体へのヒアリングでは、学校ネットワークについては、引き続き学校に特化したネットワークで情報セキュリティ対策も含め進めていくとしている場合と、いずれ自治体のネットワークに集約化していきたいとしている場合に分かれてる様です。

現在、こども食堂(地域で子育てをする取り組み)等は、全国組織で情報ネットワークがあります。同様に、避難所としての学校が、身近な一次避難所の運用状態を知らせ合うネットワークができれば、より早い公助や共助の開始につながることが期待できると思います。